統合失調症の症状
統合失調症は、脳のさまざまな働きを統合する(まとめる)ことが難しくなる病気です。
現れる症状は患者さんによってさまざまです。
主に、
- あるはずのないものが現れる、現実にあり得ないことを事実だと信じ込む「陽性症状」
- 感情表現が乏しくなったり、意欲が低下したりする「陰性症状」
- 理解、判断などの知的機能が障害される「認知機能障害」1)
の3つに分けられます2)。
「病識」が影響を受けやすい
統合失調症の症状のうち、最初に「病識」にかかわることを紹介します。
「病識」とは、自分自身が病気であること、あるいは幻覚や妄想のような症状が病気によるものであることに、自分で気づけることをいいます3)。統合失調症の患者さんは、特に幻覚や妄想が活発な時期に、幻覚・妄想が病気の症状だと思えなかったり、自分自身が病気であるとは考えなかったりします(“病識がない”といいます)。「病気ではないから」と、医療機関を受診したがらない原因になることもあります2)。

- 参考文献
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- 厚生労働省: e-ヘルスネット[情報提供] 認知機能. [2021年8月20日閲覧]
- 白石弘巳監修: 患者のための最新医学 統合失調症 正しい理解とケア. 高橋書店, 東京, 2015, pp. 24-25, 44-45, 68-69
- 日本統合失調症学会監修, 福田正人ほか編: 統合失調症. 医学書院, 東京, 2013, pp. 25-36