「仕事」について1

統合失調症の状態がよくなってから、
始めにしたのはどんなお仕事ですか?

イラスト:みくさん
みくさん

疑似就労の一環だったのですが、通っていたクリニックで家族教室を毎週日曜日に開いており、そのうちの第二、第四日曜日にご家族にカレーを提供する「カレーハウス」で働いたのが始めての仕事でした。
カレーを作るのは、コックさんで、私は野菜を切る係でした。もちろん、お店が開店してからは、ご家族へカレーを運ぶウエイトレスの仕事もしていました。
カレーライスのお米の固さが上手く調整できず、苦戦する事がありました。これではクレームが来るかなと思い、お客さんの感想やニーズを知りたくてアンケートを取りました。時には、厳しい意見をくださる方もいて落ち込むこともありましたが、嬉しい意見をいただいた時はもっとがんばろうという活力になりました。

カレーハウスをやっているうちに、売上をもっと上げていきたいと皆で思うようになってきて、アンケートの中のセットメニューが欲しいという声を拾って、メニューを改定したりもしました。
最初はカレー単品450円で始めたのですが、ゼリーとサラダを付けて550円のセットメニューも作りました。

イラスト:なつみさん
なつみさん
イラスト:カレー

私は逆に、デイケアから早く離れたかったので、一般の会社で経理的な仕事に就きました。伝票の管理とか書類のファイリングみたいな仕事内容でした。
正社員ではありませんでしたが、他の社員さんと同様にフルタイムで朝9時から17時半まで働いていました。

お仕事をしている時に辛いことはありますか?

イラスト:みくさん
みくさん

やっぱり体調に波があって、悪いときには自分でもいけないと分かっているんですが、イライラして、無意識に一緒に働いている周りの人に当たっていることがありますね・・・。周りの人が気を使ってくれているのも分かるので、申し訳ないという気持ちはあるのですが、そう分かっていても頭も心も思うようにならないので、逃げ出したくなることもあります。
だけど、「お金をもらって働いている以上、病気を出すな!」って、怒られたことがあって、そうだ、甘えているかもしれないって気づかされました。

イラスト:なつみさん
なつみさん

毎朝、通勤で満員電車に乗るのが嫌でした。今でも同じ時間帯のその電車にはトラウマで乗れない時があるくらいです。満員電車に押し込まれると、気持ちがぎゅーと圧迫されるような感じで苦しかったです。
あと、私は人付き合いがあまり得意でなく、話をするのが苦手なので、お昼休みの時間は気が重かったです。仕事の時間なら、仕事に関しての話をしていればいいのですが、お昼休みになって「仕事」という枠が一旦なくなると、誰と何を話していいか分からず、自分だけお弁当を食べている輪に入れなくて悩んでいました。

イラスト:食事風景

お仕事はした方がいいと思いますか?

イラスト:なつみさん
なつみさん

私は純粋に今、仕事をしていて楽しいので、これからも続けて行きたいですし、当事者の方に「仕事はした方がいいか?」って聞かれたら、「した方がいい」って答えると思います。
それに、自分で頑張って働いてもらえたお給料を手にすると、お金の重みが分かると思うので、是非その体験をして欲しいと思います。

イラスト:みくさん
みくさん
イラスト:面接の様子

私は本人次第だと思います。仕事だけが生き甲斐になるわけじゃないです。もし、やりたいと思う仕事があれば、病気を理由に諦めずにやってみた方がいいですし、逆にやりたくもない仕事を無理矢理やってストレス溜めるぐらいなら、本人がやりたいと思うことを大切にして、そちらにチャレンジできるための方法をご家族や先生と考えた方がいいと思います。
私の場合は「仕事をする」とか、「自分がどういう仕事をやりたい」とか考える期間も無く、病気になっちゃったってところがやっぱり大きいのかなって思います。もし、大学とか普通に行って、就職活動して、エントリーシートとか書いていたら、もっと早く、働くことについてイメージできたと思います。統合失調症は、みんな若い時期に病気になることも多いので、私と同じように病気のことがあるから「働きたくない」っていうよりも、そもそもどんな風にしてやりたい仕事をみつければいいか分からないって人も多いと思います。だから、何か働くチャンスがあれば、やってみて、合う、合わないとかを学んでいけばいいと思います。