2019年に開催されたHeart Art Contestの受賞作品をご紹介いたします。
菊池 猛
山のいろをだすのにくろうしました。山のけしきをぬるのにたいへんでした。
材質・技法:一版多色木版画
推薦者より(作業療法士)
大胆な色合いと重ね刷りで、山の迫力感を出しています。
長友 香菜美
空から差し出される「竜の髭」と呼ばれる何かの根。皆が恐れる、
七夕限定のそれを登りきれし者は、まだない
材質・技法:ケント紙(水性ペン)、点描画
推薦者より(精神保険福祉士)
ひときは精彩を放つ絵に秘めた豊かな想像力と繊細な優しさが表現されています。
オオシマ
空中に浮かぶ都市を描いたらかっこいいのではと思い描きました。
材質・技法:いろえんぴつ
推薦者より(看護師)
繊細に一つ一つの都市が描かれています。想像力豊かな彼の作品に惹きこまれます。
広島第一病院
初めての試みであったが「またやりたい」「普段できないことができて楽しかった」などの感想が聞かれた。
材質・技法:ダンボールにスプレーで下地を塗り、アクリル絵の具で描く
推薦者より(作業療法士)
皆で作成したことで患者同士の交流が増え、
普段病棟では見られない表情が見れてよかった。
鳩原 匡
クレパスの重ね塗りをしてペーパーナイフで削り、色を出すのに苦労した。
抽象的な作風に仕上がり。工夫した。
材質・技法:クレパス 2重ね塗り、ペーパーナイフで削る
推薦者より(医師)
S57の発症から支え続けてくれた母を7年前亡くし無聊を慰めるため絵を始めました。
瞳
迷いも疑いも邪気も無いただ美しい姿に叱咤激励されました。
畏敬の念と感動を描かせて頂き感謝。有難う。
材質・技法:油絵
推薦者より(作業療法士)
丁寧に精巧に描かれていました。妥協せず時間をかけて描かれていました。
古谷 美佐子
家族のキャンプで出掛けた思い出の旅路を思い描いてみました。
NHKの「さくら」の舞台にもなった場所でもあって。
材質・技法:水彩
推薦者より(作業療法士)
堀を中心とした構図が良く出来ている。水彩絵具の特徴をいかした表現である。
メンタルクリニック美波 デイケア
クリニックの近くにある公園の鯉をイメージしました。
雑誌の切り抜きを組み合わせ一つの絵にしました。
材質・技法:貼り絵(雑誌の切り抜き)
推薦者より(医師)
皆様で協力してコツコツと丁寧に取り組み味わい深い作品になりました。
葉月 育
下描き無しフリーハンドこの未知を奏でたくて行き当りばったりでも宇宙を旅してる感覚で描きあげました。
材質・技法:画用紙 ゲルボールペン画(0.7mm)
推薦者より(医師)
つらい時も寡黙な葉月さんの内に豊かな世界が拡がっていることを絵が謳っています。
くまゴン
鳥のヒナはいつかは巣立たなくてはならないです。
それまでは甘えていられます。巣立って自分の道を生きます。
材質・技法:切り絵
推薦者より(医師)
コンテストが新たな形で復活し喜んでいます。毎年応募を目標に創作活動をしています。
吉野 明子
夢があるように窓を沢山描くようにした。
一見建物にみえるがブーツです。
材質・技法:クレヨン ボールペン えんぴつ
推薦者より(作業療法士)
ブーツに窓があるという独創的で意外性が面白い作品です。ぜひ実写化してほしいです。
みすてら
小人達は、御主人様の心臓を動かし続ける為に
何百年もの間働き続けています。
材質・技法:ボールペン
推薦者より(医師)
独特な世界を丹念に表現されていて素晴らしい作品だと思います。
宮川 亜弥
子供の頃から高速道路でよく見る工場風景の隣に自然風景が現れる無機質と有機のアンバランスを好み描いた。
材質・技法:水彩画
推薦者より(医師)
頑張って完成しました。とても素敵な作品です。
堤 ハルヤ
一応闇から光へをテーマにしていますが、
あんまり深く考えずに楽しんでもらいたいと思ってます。
材質・技法:鉛筆、水彩色鉛筆
推薦者より(医師)
患者は、常に自分や自分をとり巻く環境に目を見張る人で、その世界感が現れています。
高橋 明良
せっかく病気になったのに、健康な人がうらやましい。で芸術って何?
材質・技法:画用紙、鉛筆
推薦者より(相談支援専門員)
デイケア活動中に、一人黙々と描かれてました。
トートバックを希望します!!
土井 智博
カラフルかつせん細な絵になるように心がけて描き、色彩が乱雑にならないように気をつけました。
材質・技法:水性ペン、画用紙
推薦者より(臨床心理士)
鮮やかな色使いと細かな模様、
奇抜なイラストのこの作品はいつまでも眺めていられます
MIHO
私の好きな木と花と鳥を描いてみました。
材質・技法:色えんぴつ、ボールペン
推薦者より(絵画クラブ講師)
好きな木や花をテーマに描き、
色彩も彼女らしいやさしさが表現されています
正義のしもべより
中学1年の頃から、こういう絵に取り組んで続けています。
材質・技法:色えんぴつ、ボールペン画
推薦者より(作業療法士)
明るい色づかいでも、深いところになにかあるような独創的な作品です。
Amy
デイケアの納涼祭のアートプログラムにて、ネコのお面に好きな曼荼羅からインスピレーションを受け作成した。
材質・技法:紙、曼荼羅
推薦者より(看護師)
デイケアで芸術的なお面を時間をかけて丁寧に作成し皆様から称賛されていました。
岡崎 陽子
緻密な絵をいつも描いています。イグアナをモチーフにして、力強い様子を描きました。
材質・技法:画用紙、ペン
推薦者より(看護師)
繊細さと躍動感の両方を合わせもつ彼女の作品を、沢山の方に観てほしいです。
パトラッシュ
涼しいせせらぎの中で水車が止まっている。緑の中の小川の流れが水草に押されて回転しなくなった水車の休憩。
材質・技法:一版多色木版画
推薦者より(作業療法士)
水車小屋のある場所の雰囲気が良く出ている。
水の流れや林が重ね刷りがうまく表現できた。
松隈 郁音
こんな魚がいたら面白いなと思って描きました。鱗は花弁です。
材質・技法:水彩画
推薦者より(アートボランティア 画家)
松隈さんの絵は、とても完成度が高い作品です。
パソコンを使わないアナログ制作です。
白井 風子
姿や心の在り方は違っていても、互いを思いやることで優しい繋がりは生み出せる、と思って描きました。
材質・技法:スケッチブック(F4) 黒インクと丸ペン、コピックマルチライナーでペン入れ
推薦者より(臨床心理士)
繊細なタッチは白井さんの人柄が出ております。よろしくお願いします。
味酒心療内科 デイケア
愛媛といえば道後!!その中でも新築の飛鳥の温のライトアップ風景をみんなで協力しちぎり絵で表現しました。
材質・技法:ちぎり絵
推薦者より(精神保険福祉士)
ちぎる・貼る人と分かれることで多くの方々が関わることができる作品になっています。
甲斐 瞳
本物のあんこうは見たことがありません。
電球をつけたあんこうがいたら面白いなと思い描きました。
材質・技法:画用紙 ペン クレヨン
推薦者より(医師)
色が特にすばらしく独創的細かく丁寧。デザイン力、デッサン力も秀逸だと思います。
ぼん
あなたはこの作品を見て何を感じましたか。何かに気づきましたか。是非この作品を通してあなたと会話したい。
材質・技法:キャンバス 油絵
推薦者より(精神科 医師)
思わず「あっ!」と気付いて驚いてしまいました。絵画が分からなくても楽しめます。
雪ん子
倉敷の洋館の写真をつかって、
黒くべたぬりをし切絵にしたものです。
材質・技法:切絵
推薦者より(作業療法士)
写真をもとに白と黒の割合を工夫し、
切り絵として作った。切り方も丁寧である。
林病院 デイケア たんぽぽ
夏の明るい日ざしを浴びた木々や花々の元気なイメージを表現できるよう、みんなで協力し貼っていきました。
材質・技法:折り紙・自作した色紙・ちぎり絵
推薦者より(臨床心理士)
色鮮やかなコントラストで明るく活き活きとした作品に出来上がりました。
ヘソ毛ちゃん
時には何も考えない日もあっても良い。
時にはとことん何かを考える時もある。
そんな人間を美しく描きました。
材質・技法:パソコンでのCGイラスト
推薦者より(作業療法士)
絵を描くことは自分を表現すること。
パソコンを使って思いを表現できる。素敵です。
審査員:高橋 清久 先生
島 靖子
ひまわりは太陽にあたると、
本当は色々な光があると思いイメージして描いてみました。
材質・技法:ポスターカラー
推薦者より(院長)
自由な発想、カラフルな色彩で描かれた作品は、
いつも私達に感動を与えてくれています。
森 忠文
気持ちの流れで描きました。
材質・技法:コピー用紙に油性ペン
推薦者より(看護師)
華やかな色づかいでタイトルにピッタリの作品だと思います。
女性の目に吸い込まれそう。
森の熊さん
線の一本一本を、ほかの色と、交わることなく、強調して、描いてみました。
材質・技法:色鉛筆
推薦者より(看護師)
この絵は、とても完成度が高い絵だと思いました。大きな作品にしたらいいのでは。
審査員:木下 利彦 先生
上松瀬 栄蔵
中田さんとはいつもいろいろと世話をしてくれるパソコンの先生兼社長です
材質・技法:板目表紙、水彩
推薦者より(ピアサポーター)
独創的な色使いと画風で、中央に黒で人物が描かれています。
海と陸の間の白が特徴です。
審査員:高橋 清久 先生
山口 麻衣子
はじめてパステルを使いました。グラデーションがきれいに出せたと思います。
材質・技法:画用紙、切り絵、パステル
推薦者より(看護師)
カッターを使う手先の動きがスムーズできれいに伸び、
美しく舞う蝶が人を引きつける作品。
特別審査員
公益財団法人
精神・神経化学振興財団 理事長
高橋 清久 先生
ハート・アート・コンテストが形を変えて復活しました。嬉しいことです。今回の応募数は758点、ハート・カレンダー・コンテストではいつも1000点を超えていましたが、これは1年ブランクがあったことの影響だと思います。来年以降はきっと応募数も増えるでしょう。
作品の一つ一つを見ていますと、作られた方の表情、まなざし、息づかいが伝わってくるように感じます。精神障害を持っている方々は、こころの不自由さを感じ、生活のしづらさを背負った方々だと思いますが、作品制作に集中しているときは心は自由になり、精神は躍動している、そんな感じがします。
入選、落選にかかわらず心が自由になる時間を持てる機会を提供すること、それもこのコンテストの意義の一つだと思います。
特別審査員
関西医科大学精神神経科
教授
木下 利彦 先生
今回で通算17回となるHeart Art Contestでは758点の応募の中から35作品が選ばれました。昨年休止したことで例年よりも少ない応募数とはなりましたが、今回からカレンダーにはならなくなったということで、季節にとらわれない作品も多く見られ、どの作品も素晴らしく選択することに大変苦慮しました。
様々な作品拝見し、絵の先にいる作者の方の想いや経験からたくさんのインスピレーションをもらいました。その中から特に印象に残ったものを選定させて頂いたわけですが、今回残念ながら入賞されなかった作品にもそれぞれの作品にはその方の個性や唯一無二のものが反映されています。
今年はWebギャラリーに受賞作品が掲載されるということで、今回応募しなかった方、心の病をお持ちの方、そうでない方など様々な方に広く見て心安らぐ機会になればと思っております。